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 1950年(昭和25年)に製造され、富山県の高岡市と射水市をつなぐ第3セクター・万葉線で除雪車として働く「デ5000系」車両が、今冬を最後に引退する。

 三つの会社で運行され、形が残る最後の同系車両。鉄道ファンに人気があることから、万葉線は今後、保存方法を検討する。

 「富山地鉄笹津・射水線 デ5000系ものがたり」の著者で、都市交通研究家の服部重敬さん(57)によると、同系にはデ5000形、デ5010形があり、富山地方鉄道が1950~51年に、計34両を導入した。

 軌道(路面電車)と鉄道を直通運転する目的で製造された車両で、実際に、富山市内軌道線と笹津線(1975年廃止)、高岡軌道線と射水線(80年廃止)の直通運転などで使用された。

 富山地鉄から独立し、高岡軌道線などを引き継いだ加越能鉄道にその後、一部の車両が譲渡された。

 新型車両の導入などもあって、富山地鉄、加越能の両社で70年代以降、デ5000系の廃車が進み、加越能が除雪車に改造したデ5010形の1両(車番デ5022)が残るだけになった。2002年、高岡軌道線などが加越能から万葉線に引き継がれて以降も、この車両は現役を続けた。

 車体の色は、客を乗せて走った頃と同じように、上がクリーム、下がグリーン。前後に雪をかき分ける黄色のスノープラウ、車内には凍結防止剤を軌道に散布する装置が取り付けられている。今季も昨年12月26、27日の2回出動した。

 同社が年2回開く「万葉線電車まつり」では、多くのファンが一緒に記念写真を撮る。「まだ走っていますか」と問い合わせの電話もよくかかってくるという。

 しかし、同社は「部品も手に入らず、修理しながら使うのは限界」と除雪車の更新を検討。新車両導入にめどがついたことから、今季限りで、デ5000系の使用を終えることにした。

 「路面電車の車両を鉄道にも走らせ、利便性を高める考え方は、富山ライトレールのようなLRT(次世代型路面電車)に通じる。時代を先取りしていたデ5000系は、富山の鉄道の歴史のシンボル的存在。車両は是非残してほしい」と服部さんは話す。

 万葉線は今年4月に開業10周年を迎えることから、「記念事業の一つとして保存、活用を考えていきたい」としている。(志賀克也)
(2012年1月15日06時50分 読売新聞)