良好な保存状態
報道陣に公開された人骨。身長は手前が推定で160センチ台後半、奥は140センチ台後半(4日、富山市の県文化振興財団の事務所で)
富山市呉羽町北の小竹(おだけ)貝塚で昨年見つかった縄文時代前期(約6000~5500年前)の人骨71体に、縄文時代としては大柄な人骨が複数含まれていることを、県文化振興財団と国立科学博物館が4日明らかにした。骨折の痕や手足の指までわかるなど、保存状態は極めて良好で、同博物館は今後、人類研究部(茨城県つくば市)で復元や詳しい計測などを進め、人口構成や集団の特徴などを分析する。
人骨は昨年4~9月、北陸新幹線建設予定地となったJR呉羽駅北側の発掘調査で見つかった。縄文早期~前期の人骨は、それまで国内で合わせても約70体にとどまり、小竹貝塚の71体は国内最多。今年7月に人骨から土を取り除く作業が始まった際には、縄文最大級の身長170センチ超と推定される男性の骨があることも判明した。
同財団は土を取り除く作業が終わった4日、2体の全身骨を報道陣に公開した。いずれも20歳代男性と推定され、うち1体は、当時としては大柄な身長160センチ台後半で、もう一体は140センチ台後半と小柄。作業を指導した同博物館人類研究部の坂上和弘研究員は「縄文時代前期でここまで保存状態が良く、数も多いのはほとんど類例を見ない」としている。
折れた大腿(だいたい)骨が癒着した痕や虫歯などが見られるほか、硬い物を食べるなど酷使して平らにすり減っている下あごの歯もあり、当時の生活を知る手がかりも多いという。
公開された人骨のうち大柄の1体は、5日から富山市茶屋町の県埋蔵文化財センターで始まる特別展「とやまの貝塚」で展示される。
(2011年10月5日 読売新聞)